六種の薫物(むくさのたきもの)
いかがお過ごしですか?
今回のお題「六種の薫物」。ついつい人に話したくなるお香の豆知識として知性と教養を披露できるかもしれません。
「六種の薫物」とは、平安時代に調香された 100 種類以上お香の中から、当時の人々の感性をよく表している 6 つの調香を指し、季節になぞらえた「梅花」「荷葉」「侍従」「菊花」「落葉」「黒方」となります。「六種の薫物」としてまとめられたのは、平安時代以降のようです。そのうち、4 つが源氏物語に登場します。
「薫物」とは、複数の香原料に蜜を加えて練り合わせて、大粒に丸めた丸薬状に型どった温めるタイプのお香「練香」を薫き、その煙や香りを衣服や髪、部屋などに染み込ませることを言います。
お香の伝書である平安時代後期の「薫集類抄(くんじゅうるいしょう)」や鎌倉時代末期の「後伏見院宸翰薫物方(ごふしみいんしんかんたきものほう)」にも、六種の薫物の記載があり、現在に伝わる「日本の香り」として、おそらく最も古い香りの調香として記録が残っています。
用いる香料の比率や練り方は、人や家によって異なり、製法は「秘伝」して今に伝えられているようです。Bridge and Blend ではとお世話になっているお香屋さんに伝わる香原料の比率にできるだけ忠実に再現しております。
記録の原料・調香通りに作っても、香原料の産地や入手時期、調合時の微妙な調整や手順によって、そして作り手によって香りは異なります。これは、天然素材、ハンドメイドで作られたお香ならではの特徴です。
例えば、毎年、同じ生産者が同じ畑から収穫する野菜も、気候や水、土の状態によって、安定した味を出すのは至難の業。料理と同じように、作り手の感性と創造力が問われるのが、お香の調合における奥深さであります。
Bridge and Blend の「Six in Sense」は平安時代の調香にできる限り忠実であるため、危機的な状況にある天然素材の「沈香」を、調合の 20% 以上使用しています。
全ての香りが一期一会。現代風六種の薫物を聞いて、平安人の香りの感性を体感ください。
【Anniversary Box】Six in Sense
Have a Scentful Day!