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記事: お香の種類と選び方を解説。お香に興味のある方必見!

お香の種類と選び方を解説。お香に興味のある方必見!

お香の種類と選び方を解説。お香に興味のある方必見!

お香の原料について


お香の原料は、古くから人々に愛されてきた天然の素材が数多く使われており、主に植物や樹脂などが使われます。
近年では、天然の香料だけでなく、合成香料も使用されることが増えました。合成香料は、天然の香料では再現が難しい複雑な香りや、安定した品質の香りを出すことができます。

それぞれの香原料が持つ独特の香りは、お香に深みと奥行きを与え、様々なシーンで私たちの心を整えてくれます。代表的なものとしては、以下のものが挙げられます。

天然香料

【香木】


香木は、主に以下の樹木の樹脂や木部を乾燥させたものです。
お香の原料となる香木は、その種類によって香の立ち方や燃え方が異なり、古くから世界中の人々に親しまれてきました。
香木は、宗教的な儀式や瞑想、芳香剤として、そして時には薬としても利用されてきました。

沈香、伽羅、白檀は高貴で深みのある香りで、安息香、乳香、没薬は宗教的な儀式にも使われる、神秘的な香りが特徴です。

・沈香(じんこう)

属性部位:樹脂
産地:ベトナム、インドネシア、マレーシア、ベトナム、タイ、ラオス、カンボジア、アッサム地方、海南島
香りの特徴:ツンとする(シャム沈香/タニ沈香)

沈香は、世界三大香木のひとつとして知られ、非常に高価で希少価値が高いのが特徴です。
Bidge and Blendのお香「Six in Sense」の 6 種の香り全てに沈香が調合されています。

沈香とは、樹木が虫や動物によって傷つけられ病害などが発生し、樹木が自己防衛のために分泌した油脂(樹脂)が固まり、それが経過してできたものを呼びます。
沈香は、お香の世界で重要な香りとされ、希少な香原料です。現在ワシントン条約の規制リスト付属書Ⅱ に該当し、輸出許可証がないと輸入できない素材です。
その背景は、ベトナム戦争後の商売の自由化と共に、沈香の需要も高まり、将来を見据えて植樹されることなく沈香の木の乱獲を続けた結果です。
現在は植樹も始まっています。よって、プレミアムグレードの沈香の入手が難しくなっており、その価値も年々大幅に上がっています。
沈丁花の木が成木になるのにはそう時間がかからないですが、沈香ができてそこから良い沈香になるためには年月が必要です。
ワインの熟成と似ているのではないでしょうか。
かつては、香り高い50年もの、100年ものが入手できた、そんな沈香を「Six in Sense」の調合では20%以上も占め、贅沢に使用している理由は、平安時代の調香に忠実でありたいと同時に、上記の香原料の背景を知っていただき、危機的な状況にある天然素材へ感謝しながらお香を通して過去と現在を繋げていただきたいとの思いからです。

・伽羅(きゃら)

特徴:沈香の中でも最高級品。非常に高価で、独特の深みのある香りが特徴です。
産地:ベトナムなど。

先述の沈香には、伽羅(きゃら)、羅国(らこく)、真那賀(まなか)など、産地や品質による種類があり、その最上級が伽羅です。

・白檀(びゃくだん)

属性部位:幹や根の心材
産地:インド、インドネシア、オーストラリア、太平洋
香りの特徴:甘い、クラシック、優雅

白檀は、仏教で広く使われる聖木としても知られています。
日本で育った方にはお香といえば、この香りの方が身近かもしれません。
「サンダルウッド」と言うと香水に詳しい方はピンとくると思います。
ビャクダン科の半寄性の常緑高木で、幹や根の黄白色の心材を使用します。
多くの調合香の中心的素材だけでなく、その芳香と優れた防虫効果で、仏像や美術品の彫刻、扇子、念珠など幅広く利用され、正倉院御物にも添えられたそうです。
良質の白檀が育つまでには30年はかかると言われており、インドのマイソール(南部)産の白檀が最上級とされ、老山白檀とよばれています。

・龍脳(りゅうのう)

属性部位:龍脳樹の結晶性顆粒
産地:インドネシア(ボルネオ島産)、マレーシア
香りの特徴:清涼感、優雅

フタバガキ科の常緑大高木で、龍脳が採取される龍脳樹は高さ50mに達し、幹の直径が1m以上の大木で、樹心部の割れ目のような空間にできる無色透明な結晶を指します。

防虫・防腐効果に優れており、防虫香として使用されます。
モスボックスなど防虫剤の香りを思い出すと龍脳の香りの印象がハッキリわかります。

・乳香(にゅうこう)

属性:樹脂
生産地:アフリカ(オマーンやソマリア産)、中近東
香りの特徴:清涼感、優雅、奥行き、甘み

甘い芳香が特徴で、古代エジプト時代から香料として使用されてきました。

中近東に産するカンラン科ボスウェリア属の常緑高木の樹脂です。
幹を傷つけ、滲み出して固まるゴム状の分泌物を乾燥させたものです。

滲み出した樹脂の色が透明から乳白色に変化し、その様相が乳房から滴る乳のように見えるため、乳香と名付けられたと言われています。

日本では馴染みの薄い香原料ですが、西洋では古来より宗教儀式に用いられてきた伝統的な香りで、イエスキリストが生まれた時に東方の三博士が捧げた三つの贈り物の一つです。
神聖な礼拝の象徴として、場を浄めるために教会のミサでも薫かれます。

英語名は「フランキンセンス」です。香水でもよく用いられる香料です。

・安息香

属性部位:樹脂
産地:タイ、インドネシア、マレーシア、中近東
香りの特徴:バニラのような甘ったるい強い香り

マレー半島などの東南アジアに産するエゴノキ科の常緑高木の樹脂です。
幹を傷つけ、滲み出た黄色い樹液の塊を指します。
名称の説には「息を安ずる香り」であったこと、「安息国(パキスタン)で使用されていた香り」であったとされます。

食品香料ではバニラの香りのする食品に使用されるベンゾインのことです。

・没薬(もくやく)

属性部位:樹脂
産地:ソマリア
香りの特徴:苦み

没薬の木から分泌される樹脂を乾燥させたものです。
苦味を感じる香りで、防腐剤や薬としても利用されてきました。


【スパイス】


経皮、丁子、大茴香など、それぞれのスパイス素材は複雑な香り、複数の香りの顔を持っていますが、総合的に甘く温かみのある香りが特徴です。

・丁子

属性部位:花蕾
産地:インド、マレーシア、インドネシア、東アフリカ
香りの特徴:酸み、辛み、甘み

フトモモ科の常緑香木の花蕾で、花は多数の雄しべを持ち、強い芳香があります。
名前の由来は、チョウジノキの開花直前の花蕾を乾燥させたもので、その釘に似た形状を模して丁字と呼ばれます。

代表的スパイスで料理にもよく使われる「クローブ」というとほとんどの方がわかると思います。
防腐剤や健胃にも効果があります。紀元前からギリシアや漢に知られ、日本では正倉院御物にみられます。

・経皮(けいひ)

属性:樹皮
生産地: 中国、ベトナム、インド
香りの特徴: 辛み、甘み

肉経属樟科常緑種の樹皮を乾燥させたものです。

シナモンやカシアの名称で香辛料としてシナモンロールや八ツ橋など、食品としての方が馴染みがあるかと思います。

経皮の香りは辛みと甘みを含んでおり、お香の焚き方によって香りのイメージが大きく異なります。

紀元前4000年頃にはエジプトで防腐剤としてミイラ作りに利用されていたようです。
日本には700年頃に伝えられたとされています。

・大茴香(だいういきょう)

属性:実
生産地:中国、ブータン、インド
香りの特徴:辛み、甘み

シキミ科の常緑樹で、実の部分を乾燥させたものです。

日本には江戸時代初期に伝えられたので、日本のお香の世界では比較的新しい香原料です。

大茴香はその形状から八角とよばれ、中華料理やカレーの香辛料に使用されたり、インフルエンザの特効薬「タミフル」の成分として需要が高まり、中国および近隣諸国でも栽培されています。

柑橘を思わせる清涼感のあるスッキリした香りです。こちらの香料もお香の焚き方によって香りのイメージが大きく異なります。


【その他】


・貝香

属性:貝殻
生産地:アフリカ東海岸
香りの特徴:タンパク質系

アフリカ東海岸で採れる巻貝のフタを粉末にしたものです。

単独では芳香といいがたいが、他の素材と組み合わせると全体の香りを引き立て、引き締め、安定させ、長持ちさせる役割を担っています。
香原料というより保香剤とされます。

・甘松

属性:根茎
生産地:中国、インド
香りの特徴:沈香と相性がよく、濃厚な甘さを引き出す

ヒマラヤや中国の山岳地帯にしか生えない高山植物、オミナエシ科の多年草の根や茎を乾燥させたものです。

新約聖書の中でマリアが、死を予感したイエスキリストのために高価で貴重な精油を買い求め、最後の晩餐の前にその精油をイエスの足に塗ったとされる記述があります。

英語名は「スパイクナード」。それが奇跡の精油です。

単独では芳香とはいいがたいですが、他の素材と組み合わせると香に厚みが増すため、調合香に多用されます。

・霍香(かっこう)

属性部位:葉と茎
産地:インド、マレーシア、台湾、中国
香りの特徴:爽やかで甘い

シソ科の多年草カワミドリの茎や葉を乾燥させ使用します。精油の「パチュリ」より苦味が薄く、香りにクセがなく、お香の原料として他の香りを引き出す役割も果たします。
殺菌効果があり、漢方薬として胃薬や風邪薬に使用されるそうです。

香水でも東洋のエキゾチックな香りと称賛されよく使用される香料ですが、硯で墨をすった香りが「和の香り」を彷彿させます。

・鬱金

属性:根茎
生産地:中国南部、インド、台湾
香りの特徴:強い辛み

ショウガ科ウコン属の多年性の草木ウコンの根茎です。これは秋に花を咲かせる「秋うこん」のことです。
混乱の多いウコン属は50種類ほどあります。

英語名はカレー粉の原料としても身近な「ターメリック」です。

平安時代には五香の一つとして重要でした。


【ハーブ/花/木】


ラベンダー、カモミール、ローズマリーなど、リラックス効果や鎮静効果が高いものが多いアロマテラピーとしても利用されるハーブや、ジャスミン、ローズなど、華やかで甘い香りのものから、金木犀など通年根良い人気の香り花、日本在来種の檜や杉などの木なども使用されます。


【エッセンシャルオイル】


上述のハーブや花の素材の香りを抽出し、精油としてラベンダー、ローズマリー、ベルガモットなどのエッセンシャルオイルは、アロマテラピー効果も期待でき、リラックス効果を高めるために使用されます。


合成香料

近年では、天然の香料だけでなく、合成香料も使用されることが増えました。
合成香料は、天然の香料では再現が難しい複雑な香りや、安定した品質の香りを出すことができます。

合成香料は、お香の製造において、価格や安定供給、多様な香りの創出などに貢献しています。
しかし、天然香料に比べると、香りや安全性、環境への影響など、様々な面で注意が必要です。
お香の原料には、天然の香木や樹脂だけでなく、合成香料も使用されています。
合成香料は、天然の香りを人工的に再現したり、全く新しい香りを作り出すために用いられます。

合成香料が使用される3つの理由


価格:天然香料は高価であるため、合成香料を使用することで、より安価なお香を製造できます。
安定供給:天然香料は、気候や生育環境の影響を受けやすく、安定した供給が難しい場合があります。合成香料は、安定して大量生産が可能です。
多様な香り:天然香料では再現が難しい、複雑な香りや人工的な香りを作り出すことができます。

上記の3つの理由から、天然樹脂だけでなく、合成樹脂も使用されることがあります。
合成樹脂は、燃焼時間を長くしたり、香りの持続性を高めたりする効果があります。

また、安定供給の例では、龍脳はワシントン条約指定対象により産出量が極端に少ないことから、現在流通している龍脳は、楠から採取された樟脳を精製した合成龍脳が広く使用されています。

Bridge and Blendのお香は1000年前のブレンドに忠実であるため、100%天然素材を使っていますが、現在のワシントン条約の規制により、天然の沈香や龍脳が入手が困難になる可能性もあります。
環境への配慮を踏まえ合成素材での創香も必要となってくるかもしれません。

お香の種類

お香の種類については、下記の「お香の効果・効能を解説。おすすめの使い方もわかりやすくご紹介」のページに詳しく記載をしております。ぜひご覧ください。

https://www.bridgeandblend.com/blogs/blog/incense-works

まとめ

おうち時間に、寛ぎや癒しを与えてくれる人気アイテムとしてお香は今や欠かせません。
種類も大幅に増え、お香初心者だけでなく、上級者ですら、どのお香を買って良いかわからないようです。

そんな時は、お香の種類や形状から燃焼時間、香りの広がり方やお香を焚く場所、片付けやすさがキーポイントです。

また、香りの特徴、季節を意識した香り、創香のコンセプト、香原料の持つ効果効能、今の気分、なりたい気分などを切り口に選んでみてはいかがでしょうか。

素材が持つ香りの特徴から選ぶのであれば、沈香が多く含まれる薫香調の伝統的なお香は高級感のある香りなので、来客の時にも喜ばれそうです。
お寺で香るような幽玄な白檀は、落ち着きを感じ、雑念を取り除き、読書時間等集中力が必要な時に向いています。
モダンな華やかさでおしゃれな空間を演出したい場合は、アロマ調や香水調のお香がおすすめです。

同じ香原料でもブレンド次第で、重くも軽くもなります。軽やかな香りであれば、普段使いで毎日香りを聞く習慣にも向いています。
香り立ちが柔らかなため、お香初心者でも親しみやすいはず。
重めの香りはリッチな空間を演出し、旅館やホテルのような特別な場所へトランスポートする感覚になります。

また漢方やアロマテラピーでも実証されている香り成分の効果効能から自分の求める効果を期待して選ぶこともできます。

リラックス効果・安眠効果/集中力アップ/消臭効果/虫除け効果など、詳しく解説しているページもございます。
お香の効果・効能についてのページはこちら
ぜひご覧ください。

お香選びの目安として様々な切り口でアドバイスしておりますが、自分が直感で感じた香りを試すのが一番の方法です。

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